【レポート】“地球にやさしい”だけじゃない。オシャレでイケてる、エシカルファッション最前線!eco端会議」9月30日開催レポート(後編)

「エシカル」をテーマにしたeco端会議、「地球にやさしいだけじゃない。オシャレでイケてる、エシカルファッション最前線!」の後半、参加者も交えたイベントの様子をお届けします。(前編はこちら





「エシカル」を知らない方でも楽しめるものを


——ここからは山本さんと兆さんにもご参加いただき、エシカルな話を掘り下げていこうと思います。


山本:「ASNARO」さんは「エシカル」という言葉が入ってくるよりも前から環境活動に取り組んでおられて、時代がやっと追いついてきたんだな、と感じました。

自分の感性だけでなく、出会った人からのアドバイスもありながら「地域をよくしたい」「地球に寄り添ったことを考えたい」というのが、自然にできている。


身近にある森林や「伯州綿」とか、ファッションのこととか、若い方がこうして取り組まれているのは、すごいことだと思います。


——確かに「エシカル」という言葉そのものを意識するよりも、「商品がすごくかわいい」だとか「商品がかっこいい」というところから「これって環境のためにとても良いものなんだ」というように、自然に頭に入ってきますね。


小畑:兆さんのブランドは、まさにそうですよね。「衣類」は趣味嗜好によってデザインやブランドが多様じゃないですか。それをエコな活動と掛け合わせると、逆にたどり着く道が狭いというか、「挑戦している方がいる」ということがすごく貴重だと思います。


私の知っている「エシカル」は「オーガニック」や「フェアトレード」で、そういう活動をされている方が好むものにはナチュラルなデザインが多いんですが、ポップなデザイン、ヴィジュアル系や原宿系というジャンルで、エシカルなデザインはまだまだ少ないので、ポップなファッションにエシカルを取り入れ、環境問題について考える導入を広くすることで、服のジャンルを開拓されて、ひとつの窓口のような役割を担っておられるんだな、と改めて思いました。


兆:ありがとうございます。「ヴィジュアル系」と「エシカル」の掛け合わせって、一見すると「相反しすぎ」だと思われるかもしれませんが、これからはそれがスタンダードというか、普通になってくると思います。


もちろん「自然と(無意識的に)エシカルだった」というのも大事ですが、まず「エシカルだ!」と言い切って、そこから「エシカルって何?」と思ってもらうことを意識しながら発信していこうと思ってます。


より多くの選択肢があることで、その分野に関心がある人に知ってもらえる。私たちの関心に刺さる商品やサービスがエシカルな消費活動への入り口となっていくんですね。



古着を買うのも「エシカル」


——ここからは、まさに井戸端会議ならぬ「eco端会議」。ゲストに加え、参加者のみなさんも参加型で、エシカルについて掘り下げていきたいと思います。


山本:横山さん、ご自身のお仕事について、エシカルな部分と通じるところはありますか?


横山:「エシカル」という点では、以前から「持続可能(サステナブル)」という部分に興味があります。現在は干物をつくる会社に勤めていますが、「メーカーは買い叩かれる」というお話を聞いて、とても心が痛いです。「このままだと良いものが作れないな」と思って、僕自身「何かできないかな」といろいろ考えています。


山本:購入するのは私たち消費者だから、どうしても「より安いものを」と考えてしまって、やっぱりそこが問題ですよね。同じ境港市からのご参加ということで、山本貴之さんはどう思われますか?


山本(貴):やっぱりどうしても安い方に手が伸びてしまって、そちらを買ってしまうと「まずい投票した」ということになってしまいますから、まさに消費は「経済的投票権」ということで「消費者の責任」という感じがしますね。


「値段」というのも大きな要素だと思いますが、最初は物珍しさで買ってもらえても、継続して購入してもらうためには「品質」が大切で、質の良いものにこだわり続けることも大事だな、と思います。


小畑:やりすぎると「お涙頂戴」になるんですよね。なので、品質とかデザインを常にアップデートさせて「お客様を飽きさせない」というのが、苦労する点でもあります。


山本:なるほど。若者の目線で、木谷さんはどう思われますか?


木谷:「エコ」と「オシャレ」は結びつきにくい要素だと思っていましたが、お二人はそれを上手に結びつけているので「とても面白いな」と思って聞いていました。私は音楽が好きで、バンドTシャツばかり買っているので、それが環境にやさしいものになればとっつきやすいし、若い人たちにも広がって良いな、と思います。


山本:ありがとうございます。では、子どもを育てるという視点で、山脇さんはどう思われますか?


山脇:私たちは子どもに関わる活動を行う団体で、教育的な玩具として「木のおもちゃ」を推進しています。理屈では「経済的に良い」とわかっていても、子育て中の方々は他のことにお金を使いたいというところがあって、「そちらの方に向かえない」というのも納得できるんですよ。団体として「少しでも助けになれば」と考え、木のおもちゃに触れる体験会をやったり、貸し出しをしたりしているんですが、子どもの成長は早いので、使うものもその時々で違ってくる。それは、若者と高齢者でおしゃれの基準が違うのと同じことだと思います。なので、兆さんのお話も「とても面白い」と思って聞いていました。


エシカルを意識せずに暮らしてきた私たちからすると、若いうちからもっともっと触れてほしいと思うので、発信力のある人にどんどん広めていってほしいな、と思いました。


「環境に良いものは単価があがる」みたいな話があると、少し手を出しづらいかな、という気持ちがが芽生えてしまいます。小畑さんと兆さんに、身近に(気軽に)取り組むことのできる活動についてお聞きしました。


小畑:おっしゃる通り、高いんですよ。安く買い叩くからこそ、安くてかわいいファッション(=ファストファッション)というのは避けられないです。

なので、「エシカルはハードルが高いし、余裕もない」という方には、服をたくさん買うのではなく、小さいものから試すことをオススメしたいです。


例えば、ストールやマスクのようなファッション小物であれば、1万円もしないと思うんですよ。単価が安くて取り入れやすいものとか、自分がお金をかけてこだわっているもので、メーカーを代替できるものがあると思うので、そういったことから挑戦してみるのも良いと思います。


誰でも気軽に取り組めるようになるためにも、「多方面に向けた選択肢がある」ということを、より多くの人に知っていただきたいな、と思います。


兆:例えば古着を買うのは、エシカルファッションでは「服を買わないこと」の次と言っても過言ではないくらい、環境負荷が低い行動です。服は、生産や廃棄の際にCO2を多く排出しますし、環境負荷が大きいので、どちらもやらない「古着」というのは、環境負荷にあまり加担しないことに近いですね。


なので「古着を買う」という選択肢は、かなりのエシカルファッションだと思います。

現在、僕が黒染めを依頼させていただいている工場さんが「古着を黒に染め直す」というサービスをやっていて、新しい服のような形で、新たな気持ちで着ることができるので、そういうサービスを使っていくのもいいかもしれませんね。



「エシカル」とは、「物の消費」だけを指す言葉じゃない


続いてはここまでの話を受けて、2つのグループに分かれて感想シェア。最後に、参加者を代表してお二人、今日のイベントで感じたことをシェアいただきました。


「「エシカル」という価値観は「大量生産」「大量消費」という一般的な価値観に埋もれてしまって、見つけにくくなっているのだと考えています。けれど、普段の生活の中で触れられるような、既存の文化に根ざした「身近な入口」を設けたり、「エシカル」や「SDGs」という言葉を差し込んでいくことで、無意識的に循環社会が形成されるのがいいと思うので、個人的な行動に対する部分を問題意識として感じながらお聞きしていました」


「「安いのにはわけがある」という視点で物を見ることができたらいいなあと思います。生産者側も、「これ以上必要な物なのか」ということを考えていけると社会が変わるのかな……。「再利用で作ってます!」と大々的に広告している企業が多くなったけれど、「本当に作る必要があるのかな?」と思うこともあります」



今日からできるエシカルファッション


小畑:今日はありがとうございました。「エシカル」と言っていますが、「社会のために買う」というよりも「楽しんでほしい」と思っています。使命的なものだと長続きしないので、まずはお気に入りのブランド、好きなメーカーを見つけて、「推し活」に近い感じで、推しのために予算を割いて応援する。その楽しんでいる姿を周りにアピールして、興味を持ってもらうことが大事なんじゃないかと思います。


兆:今日はありがとうございました。エシカルファッション、究極を言えば「もう買わなければいい」という話になってしまうんですが、現状のシステムを変えていくことは難しいので、それを変えていくためにも、(エシカルなブランドを選ぶことだったり)自分の生活スタイルを変えるというのは、すごく意義があることなんじゃないかなと思いました。


最後に、兆さんから「エシカルファッションの取り組み方」について紹介がありました。



兆:「今ある服を大切に長く着る」というのは大前提というか、皆さんもやられていることだと思うんですが、(長く着て大切に洗濯して→メンテナンスをして)長く着れるようにする、という部分と、リメイクやリペアといった、「まだ着れるんじゃないか」という余地を考えてみていただきたいです。

オーガニックコットンの製品を選んだり、認証マークがあるものを積極的に選ぶようにして、どうしても欲しいものがあったりだとか「こういうスタイルがしたい!」と考えてはじめて、選択肢としてこちら(新品?)を選ぶ、という形が、今日からできるエシカルファッションかなと思っています。


今回のeco端会議では、「大きなことじゃなくても、身近なところから始められる」というお話を聞くことができました。小難しく考えるのではなく、まずは身近な好き・興味からはじめるーー。このイベント、レポートがその小さなきっかけとなると嬉しいです。