公立鳥取環境大学サスティナビリティ研究所特別シンポジウム-バイオマスのさらなる利用に向けて-

2019年11月28日に公立鳥取環境大学にてサスティナビリティ研究所「バイオマスのさらなる利用に向けて」の特別シンポジウムが開催されました。第一部と第二部で構成されており、第一部では、公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長の茅先生による地球温暖化とその対策について解説されました。また、坂西先生からは現在の再生可能エネルギーの技術や現状、特にバイオマスに関する可能性や課題についてのお話がありました。

 第二部では、バイオマスの利用に関してのプレゼンテーションが行われました。プレゼンテーションでは、4名の教授や再生可能エネルギーに力をいれている企業の代表の方のお話があり、それぞれの企業または大学で行っている研究や取り組みについての紹介があり、バイオマスについての可能性や実用性を知る機会となりました。

 第一部の三洋製紙株式会社林材部部長の花原氏による「木質バイオマス発電の現状」についてのお話がありました。この会社では、板紙とカミマルチといわれる段ボール古紙のリサイクル商品であり、環境に優しい除草用資材を生産しています。製紙には大量の水が必要であり多くの排水が必要であり、そのため排水処理施設を備えています。そこでは一日に15000tの水を処理することができる機能を持っています。また、工場を動かすためのボーラー・自家発電装置を完備しており、燃料にバイオマス燃料を用いることで、環境に配慮した発電をしています。自家発電に使われるバイオマス燃料には未利用材の原木、枝葉、タンコロ、バークを利用しています。このように、三洋製紙株式会社では、リサイクル商品を生産し工場の電飾にはバイオマス燃料を用いた自家発電を行っており、CO₂削減に取り組んでいることをお話しされました。

 次に、三光ホールディングス株式会社代表取締役の三輪氏による「わが社のサーマルリサイクル」についてのお話がありました。この会社での業務内容は総合環境事業であり、廃棄物取扱高は年間150000tにもなり、リサイクル率は70%を占めています。そのため民間にリサイクル会社とりしては山陰で一番大きな会社となっています。工場が5か所あり、リサイクルではマテリアルリサイクルよりはサーマルリサイクルに力を入れています。中でも大きく3つあり、リサイクル燃料の製造、焼却炉の排熱を利用した魚の養殖・発電があることを説明していただいました。

 リサイクル燃料の製造については、RPFと言われる固形燃料を製造しています。主に紙と木とプラスチックを固めて製造された燃料となっています。カロリーが6000キロカロリーあり、石炭の代わりの燃料となるため、製紙会社やセメント会社のボイラーの燃料として利用されています。またタイヤをカットしゴムチップにして同じようにボイラー燃料として利用されています。

 魚の養殖では、焼却炉の排熱を利用して海水を緩和し、冬でも水温を20℃前後で保つことができるような仕組みになっています。魚はキジハタといわれる高級魚であり、暖かい水を好む魚を養殖しています。

 また、焼却による排熱を利用した発電を行っています。スチームスターという機械を完備し余剰蒸気を使用し自家発電を行っています。それにより、工場内で必要な電力の半分を賄うことが可能だそうです。

 公立鳥取環境大学環境学部教授の田島先生による「下水汚泥による水素製造技術」のお話では、バイオマスから水素を製造して水嶼を燃料とした社会になるためには経済的な実現可能性についてのお話がありました。まだまだ経済的な厳しい部分があるが今後化石エネルギーに代替するエネルギー源となることをお話されました。

 最後に、広島大学大学院統合生命科学研究科教授の中島田氏による「陸上および海洋バイオマス利活用の招待展望」という演題でお話しがありました。海洋微生物発酵制御を基盤とした大型藻類の完全資源化基盤技術の開発をしており、水産バイオマスを活用してマテリアル電気回収をする取り組みをしています。また、エネルギーを生成するためにはコストも多くかかってしまうため、エネルギー収支と経済収支のバランスを考える研究も行っています。これにより効率のよいエネルギーを得るためのシステムをつくるようにしていることをお話しされました。

 産業革命以降の気温の上昇は人間の活動が影響しており特に大きな原因として大気中の二酸化炭素の増加だとIPCCによって言われています。私たちは現在多くのエネルギーには化石燃料を用いていることが現状です。化石燃料を使ってエネルギーを生成すると多くのCO2が大気中に排出されてしまいます。もともと地下深くにあったCO2が大気中に増えていくことで気温の上昇に繋がっています。こうしたことから日本でもパリ協定に基づき、2050年までに80%の二酸化炭素の排出削減を目指しています。実現するためには今回の「バイオマスの利用に向けて」のシンポジウムで話された再生可能エネルギーの推進が必要です。講演では鳥取県内でのバイオマス燃料を用いた取り組みについて知ることがでる機会となりました。

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