


「気候menu」協力店舗紹介
からだを作るのは日々の食べもの
INTERVIEW : 日々の糧 / 店主 細田弘恵さん

2008年に 玄米菜食&ベジタリアン・ヴィーガン料理の「日々の糧」(ひびのかて)というお店を米子市にOPENされた細田さんのご紹介。
ー お店を始めるまでのことを聞かせてください
私は最初、フレンチレストランで働いていたのですが、ワインをちゃんと売るためにも知識がほしいと思い、ソムリエの試験を受けようと思いました。それからワインの歴史や造り方を勉強しましたが、残念ながら試験には落ちてしまったんです。すごくショックだったのですが、勉強をしているうちにフランスに行ってみたいと思う気持ちが強まっていました。ワイン造りや、フランス料理の本場の地を自分の目で見てみたいと思ったんです。そんな時、レストランの同僚に「フランスに行きたいんだよね〜」と話していたとこ、「行けばいいじゃない!」と言われたことで気持ちが後押しされ、思い切ってフランスへ移住しました。90年代後半の頃です。現地では、語学学校に通いながら、現地の料理人が集まるサークルや交流会に参加していました。その時に三つ星レストランのシェフから、「日本食の味噌や醤油は素晴らしい発酵文化だよね」と言われたのですが、当時はフランス料理に夢中だったのであまり気に留めませんでした。それから、日本でレストランを立ち上げる知人から声をかけられ、帰国することになりました。思い返すと試験に落ちて渡仏したことは人生の転機でした。フランスに住んでみて日本の良さや山陰の良さを知ることが出来たし、僅か2年半でしたが私にとってかけがえのない財産となりました。帰国してからは、時間を見つけては、世界中のワイナリーを巡る旅をしました。アメリカやオーストラリア等どこも素晴らしかったのですが、その過程で日本の食文化の素晴らしさに気づいていきました。和食って改めてすごいなって。ようやくそこで三つ星シェフの言っていた言葉が理解できたんです。


ー 玄米菜食のお店をはじめられたきっかけはなんですか?
世界で一番のワイナリーは南アフリカにあるという話を聞いてから、どうしても行ってみたくなりました。店を辞めて旅に出るということをお客さんに話していた時、「戻ってきたら自分と一緒にオーガニックレストランをやってくれない?」と言われたのです。その方はIT関係の経営者でオーナーという立場ですが、店づくりは全て私に任せてくれました。そして、米子市にお店をOPENし、仕入れや調理を担当していました。ただ、オーガニック料理はかなり食材や調味料の原価率が高いのです。オーナーからは原価率を低く抑えてと指示があり、本当は使いたい調味料等も使えなくなり、妥協していくことが多くなっていきました。それによりストレスも溜まり、オーナーとの方向性にズレが生じ始めました。私は洋食より、だんだん和食の古き良きおふくろの味の方向に時代が戻っていくと感じていたんです。そんな時、両親が無農薬で農作物を作ってくれていたことが自分で店を持つことを考えるきっかけとなりました。それが2008年のことです。自分がやりたいことは、自分にしかできませんからね。


細田さんお気に入りの本棚スペース。棚には食に関する本がずらり。
ー 日々の糧という店名の由来はありますか?
フランスに、Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン)というレストランがあったんです。そのお店が大好きで。こんなお店をいつか日本でやりたいなと思っていました。本社はベルギーで、世界に240店舗ぐらいあるお店なのですが、当時はまだ日本には出来てなかったんです。なので、私のお店に名付けました!笑 日々の糧はフランス語で "Le Pain Quotidien"の訳なのです。お店の立地も、自然食のお店は畑の真ん中にあるようなお店が多いですが、いろんな人が交差する雑然とした街の真ん中に作りたいと思いました。街の灯火になるようなお店になればいいなと思って。

日々の糧は米子駅から徒歩5分ほどの立地にあり、2Fの店舗の窓からは大通りが見える。

ー 気候menuプロジェクトに参加されてから、感じたことはありますか?
SDGs等の取組のことも詳しく調べてみたりしましたし、私がこれまでやってきたことが、環境問題に繋がっていたということも驚きでしたね。お店で使う食材はお米や野菜も無農薬栽培のものなので、自信をもって安全安心な食材を提供できていると思います。季節関係なくハウスで作られている野菜より、季節に採れる野菜を使っています。そうやってこだわっているためか、お店には、ベジタリアンの方や、外国人の方、あと病気をきっかけに食事で体質改善を実践されているお客様も多くいらしてくれます。重度なアトピーの方とか。でも日々の食べものを変えていくことで、アトピーが治っていったりする様子を何度も見ることがありました。その度に、からだを作っているのは食べものだなと強く実感しています。そこから気候も変わっていくとなれば、食からの取り組みって意義深いですよね。


入り口付近には、こだわりの自然食品もずらり。季節の野菜も販売されています。

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TEXT & PHOTO by KOTANI DESIGN OFFICE
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ぜひご利用ください♪
期間:2020年6月30(火)まで

日々の糧
鳥取県米子市明治町197 ホテル真田2F TEL: 0859-34-3773
営業時間:
昼 11:00~15:00
夜 17:00~21:00(L.O 20:30)
定休日:日曜
SNS:Facebookページ「日々の糧」で検索
